触媒方式による廃プラスティック油化装置 HiCOP-1000
従来の熱分解方式による弱点を全て克服した触媒方式で、今まで難しかった廃プラ油化の事業化を進めています。
触媒方式とは?
東大名誉教授、北九州市立大学特任教授の藤元先生が開発した特許技術で、石油精製時に使われるFCC触媒を用いて廃プラスティックの油化をする新技術。
配管の閉塞問題、巨大なプラント費用、爆発の危険といった従来の弱点を全て克服した新しい油化技術です。
日本における廃プラスティック油化の歴史
日本では1970年代後半から熱分解方式による油化技術(550℃程度の高温熱分解)の開発が進み、1990年代になると多様な技術が実用化され、大規模プラントの建設も相次ぎました。しかし現在、当時の技術を使用して廃プラの油化を事業化できている会社はほとんどありません。
その理由は大きく3つあります。
一つは熱分解方式では、配管の閉塞が頻発し、運用メンテナンス費が莫大になること。もう一つは生成される油の塩素濃度が高く、質や収率も悪かったこと。そしてもう一つが熱分解方式ではプラント設備を大きくしなければならず、初期投資にかなりの金額が必要になることです。また熱分解方式はその名の通り、熱で温める方式なので、プラント自体が常に爆発の危険性と隣り合わせであり、実際に爆発事故が起きてしまったことも事業化できなかった理由にあります。
それにより、廃プラスティックの油化という事業は、現実的に事業化が不可能なのではないかというイメージがついてしまった歴史があります。
≪触媒方式と熱分解方式の違い≫
触媒方式 | 熱分解方式 | |
---|---|---|
閉塞問題 | ほぼ無し | 多発 |
収率 | 70~80% | 50~60% |
初期投資 | 1/3程度 | 1 |
運用費 | 低 | 大 |
品質 | 高 | 低 |
安全性 | 高 | 低 |
廃プラの油化事業を可能にする接触方式の優位性
従来の熱分解方式では越えられなかったハードルを全てクリアーした接触方式の優位性は上記の表の通りです。
熱分解方式では、炉内温度を450℃~500℃程度に熱してプラスティックを融解させていましたが、接触方式では炉内温度も400℃~420℃程度と低く、触媒の中にプラスティックを投入し、触媒と接触したプラスティック分だけが気化していくという従来の熱分解方式とは全く違う生成方法です。
その為、ワックス分による配管の閉塞問題がなく、運用時にかかる大きな費用を節減でき、またプラント自体の大きさもか改善されました。また取れる油の品質や収率も大幅に改善し、更には最も大きな課題となっていた爆発のリスクを最小限に食い止めることができ、熱分解方式と比較すると非常に優れた油化技術といえます。
この接触方式の新技術によって、実現化のハードルが高かった廃プラスティック油化事業が、いよいよ本格的に始動しはじめます。
限りある資源を有効に活用できる廃プラの油化事業は、環境に配慮した循環型社会を創造する新しい事業となるでしょう。
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